Sunday, November 16, 2008

朝顔

 ベランダの朝顔がまだ咲いている。というか、咲き乱れている。今朝も10個ほど花を開かせた。このところもう毎日のように平均8個ほどの花を付けているのだ。11月も半ばだというのに。

 この夏はほとんど花を付けなかったのだ。そのかわり葉っぱが生い茂った。すべての栄養を花ではなく葉に吸い取られているような気さえしていた。葉はそこで光合成をするわけだから、葉で作られる栄養を糧に花が咲くのだと思っていたがどうもそうじゃないらしい。結局夏、8月頃にはもう朝顔は終わったんだねと思って、あとちょっとで撤去するところだった。

 ところが、9月頃から急激に葉を落とすようになり、それでいよいよ終末期だな、自然と枯れてくれれば心も痛まなくて済むなと思っていたらその逆で、葉が落ちてきたのと反比例するように蕾が出てきた。花の登場である。一時期、10月の最初の方なんて気温もそんなに低くなかったから、ああ、温暖化でこういうことになっているんだとか思っていたものの、11月に入り、ここ数日はもうジャンバーを着てても寒いというくらいで、さすがに花も元気を無くすだろうと思っているのに、この調子だ。花が咲く勢いは一向に衰えない。

 これが朝顔にとって逆境なのかどうかはよく判らないけれど、気温も下がって来るという逆境にもめげずに咲き続ける朝顔の姿は美しく、なんだか勇気を与えられるし、応援したくもなってくるのだ。

 そう、応援ってそういうものだろう。バンドマンたちの中からは僕が彼らを応援していないという不満を投げかけられることが時々ある。では、僕がすべてのバンドマンを応援していないかというとそうではないわけで、今日もこれから、休日だというのに池袋のスタジオに向かうことになっているし、明日の夜も徹夜のレコーディングに立ち会うことになっている。それが業務なのか応援なのかは別として、僕としては結構やっているつもりで、その中でも力の欠け具合に多少の偏りはあるかもしれない。だがそれは好き嫌いということでもなく、単純にビジネス的な効率ということでもなく、要するに、応援したいなという気持ちにさせてくれるものにより力が入ってしまうということなのだろうと思う。で、それは結局、スタッフとしての気持ちの問題でもあるが、それ以上にファンにそのバンドがどう映っているのかということでもあるのだろうと思う。つまり、割と身近にいるはずの僕の気持ちを「徹夜してでも応援したいな」と思わせてくれるようなバンドだったら、ファンのみなさんも応援したいと思うし、僕の気持ちを動かすことさえ出来ないバンド活動を、一般のファンだって特段応援したいとは思わないだろうということなのである。だから結局、僕自身の動きとしては、僕自身が「応援したい」という気持ちになっていくものを強く押していくことがビジネス的にも最終的にはプラスになるはずだと思うし、そういう頑張っているバンドが伸びていかなければウソだとも思うのである。