Monday, November 17, 2008

スポーツあれこれ

 まあこの週末のスポーツとして最大の話題はクルム伊達公子のアラフォー優勝だといえるだろう。伊達がすごいのか、他の選手がダメなのか、それはよく判らないし、じゃあ杉山愛はなぜその大会に出ていないのかとか、いろいろと疑問点はあるもののまあ素直に賞賛されるべきだし、素晴らしいことだと思う。世界ランキング4位にまで行きながらもツアー生活に疲れて早めの引退をしてしまった人だというのに、こうして活躍してしまったら、次の全豪へ目標を定めてしまったという。なんかここまでは年齢を超えたチャレンジとして美談だったように思うのだが、そこからツアーへと向かうようになったら、一体何が目的でやっているのか、また混迷の中に落ちてしまうのではないかとか心配してしまう。
 
 で、僕はちょっと注目したかったのが女子マラソンだ。今回の注目は誰がなんといっても渋井陽子だったはずで、ビッグネームに頼らないと視聴率が取れないという番組宣伝上の都合もあったのかもしれないが、それに乗ったかのように前半から飛ばしていった。だが、渋井陽子は果たしてマラソンランナーなのかという疑問が常にあった。トラック競技からマラソンに転向というパターンは多いが、トラックで成功した選手は必ずしも同じような成功をマラソンではしていないことが多い。千葉も渋井も福士も、それなりの結果は出しても、トラック時代ほど輝いている印象にはつながっていない。それでも知名度だけは抜群だから大会の華として持ち上げられるが、それだけに失速した時のダメージも大きいのだろうと思う。4位なら十分に速いと言えるのだけれども、だが期待値に対する結果としては惨敗といわざるを得ない。それはこの週末に2位に終わった浅田真央とも似ていて、2位でも惨敗。可哀相だが、それは勝てば賞賛の度合いも計り知れないという立場だからの宿命でもあって、それをトップアスリートは受け入れなければならないのだろう。
 
 だが、浅田の場合はその競技のトップである。過去の実績もハッキリとしていて、身長が伸びたとかいうことも含めて課題は少なくないだろうが、その競技での勝ちを知っている選手である。だからその期待も順当なものだと思うのだが、渋井陽子の場合は、マラソンの成功者では無いのだ。もちろん優勝も2度しているし、一般的な基準からいえば十二分なマラソンランナーであるはずなのに、やはりどうしても彼女をマラソンの成功者とは思えない。それは僕らが彼女に期待する事前報道に触れ、そして期待の中の敗北を見るという経験を重ねてしまったからだと思うのだ。
 
 その渋井が予想通り苦汁をなめた。もちろん人生にもしもなんてないわけで、マラソンにいかずにトラックのスペシャリストとして続けていたらどうだったかを想像するのはあまり意味がないことである。だが、何故これほどまでにほとんどの長距離ランナーはマラソンを最終目標とするのかが、なんか悲しいことだなと感じざるを得ないレースだったなと、それはここ数年の高橋尚子が失速していた光景とはまったく違った悲しさを禁じ得なかったのである。
 
 それにしても、誰か相撲とか野球の結果に注目したりしてますか? 僕はその辺の情報にはまったく興味が無くなってしまっているなあ。