Thursday, November 20, 2008

怒濤の360分3本勝負

 朝からバンド対応。バンド対応ってなんか事務的な響きがして嫌な言葉だ。僕自身にはバンドと会うことはイヤでもなんでもなく、これこそが自分のやるべきことだと思っている。でもすべてが「バンドとのミーティング」というべき内容でもなく、かといって「バンドとのお話会」という言葉も適切ではないと思うので、事務的で嫌な表現だが、まあ朝からバンド対応をした。
 
 最初のバンドはキラキラ☆ナイトに出演するためのチケットを取りに来て、それで質問に答えたり、逆にこちらからバンドの現状を質問したり、それで約90分間。
 
 続いて正午チョイ前から別のバンドが来社。今度はコンピレーションCDに参加するバンドなのだが、直接持って来てくれたついでにいろいろとお話。バンドといっても現在1人ユニットをやっているソロミュージシャンで、これからメンバーを探した方がいいのか、仕事を転職した方がいいのか、そういったことにまで話は及ぶ。
 
 どんな選択にも功罪共にあるわけで、ひとつの選択をした場合にどんなメリットとデメリットがあるのか、そしてこれまで僕が接してきたバンドマンたちがどういうところで躓いたり、何をきっかけに浮揚していったかということを話す。じゃあ例えばメンバーを探すという選択をした時に、予想されるメリットとデメリットはどんなミュージシャンにとっても同じことだ。だが、そのメリットを生かすも殺すもその後の努力の仕方だし、そのメリットをきちんと理解しているかどうかが大事。地図を渡されて「そこに行け」といわれて、まず地図の見方が解ってないとダメだし、それ以上に大事なことはその地図の場所に行ったら自分に何が起こるのかということを理解していないとダメなのだ。目的というか、現在やっている苦労の報酬が判っていて、それに十分な価値を見出すことが出来れば頑張る意欲も湧くだろうし、メリットを獲得できる可能性も上がっていく。しかしただそこに行けとだけ言われて、疑問を持っていたとしたら行き着くことさえ出来ないかもしれない。
 
 それは学校の先生から宿題を言われた時に、「この勉強は自分のためになる」と思えば取り組めるけれども、「先生に怒られたくないからなあ」と思っているだけでは、取り組みに身が入らない。そういうことに似ている。ましてや「誰かのをカンニングできないかなあ」とか考えてしまうのは、自分のためになることをやりたいという発想ではなく、その場をなんとかしのげさえすればいいという発想から来るものだろう。カンニングを工作するのにもそれなりに労力はいるというのに、その労力もまったく後のためにはつながっていないことが判らないからそんなことを考えたりするのだろう。
 
 音楽の世界でも「どこかで誰かが突然「キミいいよ」と言って、無名の自分に大金をはたいて応援してくれないだろうか」とか考えているミュージシャンは多い。でもそういう考えのミュージシャンの創る音楽はどうしても肝心な苦労を経ていないから、自己満足の世界に留まってしまっているし、そもそも同じような素質のミュージシャンが将来のために苦労を重ねているとしたら、それに勝てるはずがないのだ。
 
 
 話は逸れてきたが、まあ、その正午からのミーティングを終え、先日レコーディングをした天空快のミックス作業と、平行してプロモ制作を行う。別のスタッフたちが別の作業をしてくれていて、本当はそれを手伝いたいのだが、それぞれが抱えている仕事を全部こなしていくには僕がそれを手伝うわけにもいかず。みんな頑張ってくれてありがとうと心から言いたい。
 
 そんな作業の時間を過ぎて、21時半から最後のミーティング。これはミーティングといっていいだろう。来月アルバムをリリースするバンドSEXFACTOR BEAUTY EXPLOSION、略してSFBXのメンバー(上記写真)が来社。仕上がった音を聴きながら、ジャケットなどのデザインの詰めを行う。もうギリギリのスケジュールの作業ではあるが、一方で同時発売の天空快の音源はまだミックス中ということなので、まあギリギリ中のギリギリの中でも、まだ余裕があるといってもいいのかもしれない。本当は明日仕上がりの予定(これも当初の予定から押しているが)のデザインがまだ固まっておらず、彼らのデザインを担当しているデザイナーさんとメンバーの間での意思疎通が完全に詰め切れていないとのこと。そうはいっても発売日というものがあるのでなんとかしないといけないのだが、かといって納得できないデザインではリリースできないという彼らの気持ちも良く判る。要するにいろいろなことが詰まっていないし、最終的に詰め切れない時にはデザイナーさんのアイディアを却下しないといけなくなるのだが、その場合の人間関係とかも当然問題になってくるはずなので、ことはデザインの良し悪しということだけで考えるわけにもいかなくなるという、そういう話。もちろん僕としてもレーベルの大切な商品なので、つまらないデザインではリリースしたくないし、彼ら自身が自信を持って売れない商品ではその後のセールスに大きく影響する。そういうことも全部含めて、今週末にデザイナーさんと彼らとで完全に詰めて進めてもらうということになる。僕の方でもデザインのアイディアを出したりすることになる。もう、俺は結構忙しすぎる状況になったなとちょっと観念する。ミーティングの終了が24時ちょうど。今日はバンドとの話だけでまるまる6時間を費やしたことになる。
 
 まあ、こういうのが毎日ではないけれども、頑張ってやってます。何でもいいからキラキラレコードのCDを買ってください。応援するとか寄付するとかの意味でもいいので。