Tuesday, October 26, 2010

20周年ベスト解説〜「走り出せ若者よ」金谷ヒデユキ


(上記バナーをクリックすると本日の曲をお聴きいただけます)



20周年を記念した3枚組ベストアルバムをリリースすることになった。毎日、1曲ずつ紹介しています。1日限定で楽曲をアップしていきますので、よろしければお聴き下さい。(曲は毎日変わります。次の解説ブログがアップすると、このページの楽曲も新しいものに変わってしまいますのでご了承下さい。)

07. 「走り出せ若者よ」金谷ヒデユキ(1997年「走り出せ若者よ」KRDL-1)
 キラキラレコードにとっていろいろな意味で転機となったアーチスト、金谷ヒデユキの代表作。当時金谷ヒデユキはフジテレビの「ボキャブラ天国」という人気番組のレギュラーで、全国的に大人気だった。それまでCDの卸屋さんにも「キラキラ?」って感じで扱われていたのに、これを出すと明らかに扱いが変わった。売上げが3桁になって、それまで理屈では解っていたものの、実感として「売れれば儲かる」ということを理解した瞬間だった。
 彼との出会いはビクターの先輩と偶然に吉野家で会った時に「知り合いの事務所のタレントのCDを作りたいんだけど、プレス屋さん知らない?」と言われ「じゃあウチでやりましょうよ」と答えたら、そのまま事務所に連れて行かれ、そこに彼がいたというものだった。翌週にはもうレコーディングに突入し、あまりの展開の早さに驚かされた。
 金谷ヒデユキは毎週土日には全国のイベントに営業で回っていて、僕もCD即売のために常に同行していた。あんなに飛行機と新幹線に乗ったことはなかったくらいだった。夏のある土曜日、函館のボキャブライベントに出演して、翌日昼にはテレビ出演のため金沢入りする必要があった。しかし函館の始発に乗っても昼の金沢には着かないということが判り、函館のイベント終了後レンタカーを借りて千歳に移動。途中霧が発生して時速15kmで走るなどして、千歳のホテルには午前3時に到着、翌日6時台の飛行機に乗るという超過密移動を経験した。売れっ子ってすごいなあと呆れるやら感心するやら。
 この曲ではキラキラ初のプロモーションビデオを作ることになり、しかも撮影を兼ねて2人でロスに渡るという、やはりそれまでになかった展開。といっても事務所から金が出たわけでもなく、それぞれが自腹で渡米という、まあインディーズらしい珍道中だった。ロスとラスベガスの間にある砂漠地帯で撮影したビデオは僕にとってもいい思い出だ。