Wednesday, October 27, 2010

20周年ベスト解説〜「愛の花」STONE FREE


(上記バナーをクリックすると本日の曲をお聴きいただけます)



20周年を記念した3枚組ベストアルバムをリリースすることになった。毎日、1曲ずつ紹介しています。1日限定で楽曲をアップしていきますので、よろしければお聴き下さい。(曲は毎日変わります。次の解説ブログがアップすると、このページの楽曲も新しいものに変わってしまいますのでご了承下さい。)

08. 「愛の花」STONE FREE(2008年「The World」KRCL-120)
 STONE FREEは、POPソング満載のファーストは鳴かず飛ばずな感じだったものの、2ndアルバムで人が変わったかのような怒濤の活動を見せた。ファンを増やしライブの規模を拡大し、ワンマンライブも成功させ、3rdアルバムでは遂にRockin'on Japanのインタビューを勝ち取ったという、バンドマンど根性サクセスストーリーを地で行った。
 僕はいつも「100万枚はセンスとチャンスと運が必要だけれど、1000枚くらいなら誰だって実現出来る」と言っている。もちろん1000枚が最終目標ではないけれど、1000枚を通過しないとその先には絶対に行けない。だからまずそれを目指すのだが、それには当然努力が必要だ。逆にいえば努力さえすればどんなバンドだってそれは可能なのだが、ほとんどのバンドは努力することを嫌い、出来ない理由を並べ立てる。しかしSTONE FREEはやるべきことを着実に徹底的に実践していって、結果を出した。すべてのバンドの鑑だと思う。
 3rdアルバム発売時の資料作成のために行ったインタビューで、田舎の高校から東京に出てくる時の波瀾万丈のエピソードを聞かせてくれた。ベースの加藤くんは東京で音楽をやるため、高校の卒業式の夜に家出をし、山形からベースギターを背に自転車で東京に向かった。3月終わりの山形から栃木にかけて雪も降り、寝ずに自転車を3日間漕ぎ続けたという。あらためて彼らのガッツを再認識した。東京では3人で1軒家に住みながらバンド中心のストイックな生活をしている、そんなSTONE FREEの、世界平和を訴えるという壮大なこの曲。聴けば聴くほど滲み出るものが感じられるようになる。