Saturday, May 18, 2013

京都の生き物

 明日で11ヶ月になる息子と一緒に京都市動物園に行った。

 3日前の5月15日にキリンの赤ちゃんが生まれ、16日から公開していたのだ。先々週の週末から、土日のどちらかを父と息子だけの男2人1日旅という感じで出かけることにしている。最初は四条河原町まで。先週は下鴨神社まで。今日はどうしようと思っていたらこのニュース。それは行かねばということになる。

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 キリンの赤ちゃん、予想以上に小さくて可愛かった。身長は180cmなのだと。じゃあ僕の方が背が高いじゃないか。この3日でどれだけ伸びたかはわからないけれど。で、生まれてすぐに立つ。一方僕の息子は明日19日で11ヶ月なのだが、まだ自分で立つことは出来ない。野生の動物ってすごいよなあと思った。まあジッとしていたら生きていけないんだもの。動物園のキリンは飼育員たちに大切に育てられるのだから立たないことが生命の危機に直結するわけじゃないだろうけれども、それでも立って屋内の展示室で悠々と歩いたり葉っぱを食ったりしていた。

 それにしてもキリンの赤ちゃんという目玉商品があるにもかかわらず、京都市動物園は空いていた。いつでもある神社仏閣にはそれなりの観光客が集まっているのだろうが、動物園には地元のパパママとベビーカーだけが集まっていた。確かに京都に旅行して動物園には行かないのかもしれない。東京都民だった頃の僕も動物園には旅行で来たことはそういえば無かった。この夏の京都観光の旬なスポットといっていいくらいの価値はあると思う。すくなくとも京都水族館よりはみる価値あるんじゃないかと勝手に思うのだが、きっとこのままの混み具合で夏は過ぎていくのだろうなあ。



 先週息子と下鴨神社に行った時、神社から糺の森を抜けて出町柳の鴨川デルタに足を伸ばした。高野川と賀茂川が合流して鴨川になるところが公園になっていて、そこが鴨川デルタと呼ばれている。

 その公園で、僕はパンを食べていた。すると2口くらいかじった所で手に衝撃。トンビだ。そういえばこの場所は上空をいつもトンビが舞っていて、公園にいる人の食べ物を狙っているという。話には聞いていたし、お弁当を食べている人に突進している姿も見たことがあったけど、まさか自分が狙われるとは思ってなかった。で、そのテクニックがすごい。僕の手の中にあったのはせいぜい5cm四方くらいの大きさのパンで、上空からサーッとそれをめがけて急降下し、飛びながら足でつかむのである。見事にヒット。しかも僕の手には一切触れていないのだから恐れ入る。さすがはハンターだなと感心した。まさにワイルドライフ。せっかくのパンが食べられなくなって昼ご飯の量も半減したわけだが、それでも滅多に出来ない良い経験が出来たと思う。



 一昨日の朝、いつものように鴨川の土手を歩いて通勤していたら、鴨の親子を発見した。

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 このところ温かくなり、鴨の親子をたくさん見かけるのだが、その朝の親子は鴨川に設置されている滝のような落差の端にいたのだ。この程度の落差なら親鴨にはなんてことはない。せいぜい1m程度の高さの落差。しかし小鴨には脅威の落差なのだろう。ほぼ全員が固まるように親鴨の側に佇んでいた。親鴨もここを自分だけが降りていいのかと、小鴨が溺れたりしないのかと心配そうにその落差を眺めていた。僕は仕事もあるので1分ほど眺めて過ぎ去ったが、鴨の親子はどうしたのだろうか。あのシーンで飛び降りなくとも、いつかは克服しなければならない。それが今なのか、数日後でいいのか。小鴨の成長度合いも1羽1羽違うだろうから、簡単に降りる小鴨もいれば、降りそこなって溺れる小鴨もいるのだろう。全員が無事に降りられるタイミングを計るのは、親鴨にとって簡単なことではないのかもしれない。



 京都は面白い町だ。いろんな動植物に触れられる。僕が幼少期を過ごした福岡市でも、大学生以来26年間暮らした東京都でも、こんなに動植物を意識したことはない。そこにはそんなにいないからだ。もしもこういう環境で育ったならば、もっと動物や植物の名前に詳しかっただろうと思って少し悔しい。息子にはいろいろな生き物に接してもらいたい。そのうちに動物図鑑や植物図鑑を買ってやろうと思う。それで散歩のたびに名前を教えてもらおう。もしかすると僕だってもう少し生き物に詳しくなれるかもしれない。