Friday, March 06, 2009

流し雛


 週始めに臨時の休暇を取り、京都へ。いくつか観光などもしたが、一番長くいたのはここ、下鴨神社。個人的にも縁のある神社で、今回ここで、古くなっていたお守りを新しくし、昨年夏に売り出された神社のDVDを購入するという目的があった。
 
 下鴨神社は梅の名所でもある。敷地内に数百本の梅が咲き乱れるという類いの名所ではなく、光琳の梅という1本の木が、尾形光琳の紅白梅図屏風を描くときのモデルとした、そんな梅があるという意味での名所である。この梅が咲いているのを見るのも今回初めてのこと。赤い梅の花は艶っぽい感じがしてキレイだった。
 
 で、それ以外にも楽しみにしていたことがある。3月3日の雛祭り、ここでは御手洗川という敷地内を流れる川に雛人形を流すというお祭りが行われるのだった。境内につくとすでにお雛様役の女性が十二単を着付けしているところだった。御手洗川の周辺には場所を確保しようという人であふれている。僕らもなんとか場所を陣取り、お祭りが始まるのを待つ。お雛様役が着付けを終えると、別の建物の中にいたお内裏様役の男性も登場し、席に着く。神官の人とか、名士の人とか、なぜか幼稚園児や京都タワーのマスコットたわわちゃんなんかも席につき、イベント開始。基本的に神事のひとつなので、神官の人たちが御手洗川沿いにあるお社にお祈りとかをして、出席者が順次お雛様を川に流していく。言ってみればそれだけのことだが、なんか風流な感じがしたな。さわやかな気持ちになる。
 
 ご招待の参加者たちが一通り流し終えると、幼稚園児たちが列を作って、楽しい雛祭りの歌を合唱。それもちょっとさわやかでいい感じ。僕らの周辺にはその幼稚園児の親と思われる人たちが一斉に写真を撮り始めた。必死の形相も面白い。子供の記録を残したいのも当然だが、もうちょっと自分の目で直接見てやれ。と思った。
 
 最後に一般の人たちもお雛様を流すことになる。このお雛様は大小2つのサイズがあって、大が1000円、小が500円でひなあられ付きで売られている。高いか安いかは人それぞれの判断だろうが、行事に参加したぞって感じになれて僕は満足。流れていく雛人形に、自分なりにそれなりに祈ったりした。