Saturday, March 07, 2009

WBC

 なんか、ウワーって感じがする。今日韓戦が始まってて、日本が3点を先取したところ。そもそもイチローがこの大会初ヒットを打ったところでの歓声のもの凄さがかなりうざい感じになった。そもそも日本は韓国野球を下に見てたんじゃなかったっけ? 下に見るという感覚がそもそもおかしいし、ここ数年の国際大会で負け続けていることから、なんか急に韓国を最大のライバルみたいに見るようになって、普通の国際試合以上にナショナリスティックに盛り上がったりしている。可笑しくないかい? ヘンじゃないかい? 試合が終わる前に書いておきたいと思うが、もう負けてしまえとか思う。いや、勝ってほしいのだけれど、なんかすんなり勝ってしまっては、日本はチームも観客も大いなる勘違いしそうな気がしてならないのだ。

 前回のWBC、偶然にも試合当日に東京ドームの近くを通ったら、試合は既に始まっているというのにチケットは全然残っていた。今日はこれ、満員なんじゃないだろうか。いつものシーズンなら満員にならないし、テレビ中継も結構なかったりする。WBCの前回大会で日本が優勝してしまったりしたから、この大会の権威が日本の中でグッと上がっているだけのように思うし、シーズンオフに野球のニュースがあまりなく、イチローが日本にいて比較的コメントを出してくれたりするものだからニュースになっていって、それで必要以上に盛り上がったりしている。それに日本と韓国のナショナリズムな因縁を殊更に必要以上に盛り上げてしまって、それで今日の試合だ。純粋に野球を好きだという人と、騒ぎたい人とのバランスはどうなんだろうとか、思ったりした。数年前の大リーグブームの時には、大リーグのファンの楽しみ方は素晴らしく、太鼓とかラッパを鳴らしたりはしないのだ。もっとそういう楽しみ方をしようよとか言ってたのはどこに行ったんだ。

 僕はサッカーのことをあまり知らない。でも数日前、ジャイアンツのオープン戦で金刀が好投したという地味なニュースをやっていて、ああ、Jリーグをちゃんと見ているサッカーファンはこんな気持ちなのかなとかうっすら解ったような気がした。僕にとってはイチローが打つかということよりも、金刀が今年活躍してくれるのかどうかの方が大切なことで、だからWBC代表のニュースなんてどうでも良かった。しかし、サッカーでは代表チームの練習のニュースはやってもJリーグの試合のニュースは文字情報だけになることが多く、それはJが盛り上がらないはずだよとか思ったのだ。いや、代表の試合も大事なんですよ。でもそれで日本のセパや、Jリーグのことは忘れていいということにはならないのである。少なくとも、セパやJのことを知らずに代表チームの応援をする人は、単なる俄ファンでしかない。本当に大切なのはそっちじゃなくて、セパやJの、2軍で調整中の選手のことを気遣ったりするような人たちじゃないのかとか思うし、俄ファンの一時的なボルテージをもって野球人気やサッカー人気を計れると思ったら大間違いなのだ。

 松坂打たれたぞ。まさか、有り得ないというようなテンションの実況とレフトスタンドの韓国ファンエリアの妙な盛り上がりの対比が面白い。その前のプレイで「イチローのレーザービームがーぁぁぁぁ!」とか叫んだアナウンサーが、ワールドカップかなにかの試合で「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォルゥゥゥゥゥゥゥ!」と叫んで失笑を買った日本テレビのアナウンサーの姿とダブった。選手はきっと真剣にやっていると思うのだ。それを周辺で勝手にお祭りにしてしまって、歪曲した感じで盛り上がってしまうのは、選手に対しても悪いと思うし、そんなテンションと一緒になるのがなんか恥ずかしいような気持ちになって、面映いのだ。