Monday, July 13, 2009

解散へ

 ここで解散するだろう。でなければ、解散は難しくなる。話題という点でも麻生さんが生き残るにはこのタイミング以外にない。もっとも政党内での生き残りと、国民の意識の中での生き残りは全く別の話だが。

 それぞれの人がそれぞれに自説を述べる。それをすべて聞くことなんて無理だ。公明党も「都議会選前はやめてくれ」から「同時選挙はやめてくれ」と言っていた。それが今は「都議会選から1ヶ月以内なんて無理」に変わってきている。変わるのは自由だが、それを全部聞いていたら、次は「2ヶ月以内はやめてくれ」に変わるだろう。そうすると任期満了ではないか。解散なんてとても無理だ。

 体制の立て直しを行うべきという論もある。立て直せると思っているのか。ここまで支持率が下がったのは判断先送りを続けてきたからだ。麻生さんのやりたい事がことごとく潰されて、それで「ブレた」と言われて下がってきたのだ。別に政策が否定されたわけではない。もちろん政策が支持されたわけでもないが、支持率低下の主な原因は「頼りない」であり、頼りないのは、決断が出来ないからだ。その麻生さんの決断を先延ばしさせて、自民党の体制立て直しができると思っているとしたら、それは先を見通す力どころか、現状を分析する力さえもまるでないということを露呈するだけである。

 麻生さんに名誉ある退陣をと言っている人もいる。つまり、麻生降ろしだ。麻生降ろしは要するに10ヶ月前に決めた自民党の顔を否定するということに他ならない。それを何回繰り返せば気が済むのだ。本来は小泉人気で獲得した議席であり、それが「本来郵政民営化には賛成じゃなかった」という人の政策をごり押しするための2/3として利用し続けるのは、違法ではないが欺きだ。欺かれたことにも国民は怒る。麻生さんに人気が無くなったからといって顔を変えてなんとかなると思っている人は、要するにその国民の怒りを理解出来ない人なのだろう。

 人気が落ちたすべての責任が麻生さんにあるわけではない。決断が出来ないのは党内基盤が弱いからであり、それでこれまで我慢を続けた。だが、もう我慢する必要なんてないのだ。総理総裁であっても意見が通らないのに、退陣して得られる影響力って一体なんなんだ。今後の影響力を保持するために退陣した方がいいって言う人もいるだろうけれど、安倍さんや福田さんが「政権投げ出し総理」と言われてしまった汚名を一生拭えないことを考えると、ここで筋を通した方が、国民の中での影響力は維持出来て、いいように思う。

 そういうことをいろいろ考えると、解散は自分の手で。そうなると今日か明日しかタイミングはないだろう。民主党が内閣不信任案を提出する。与党がそれを否決したら、麻生降ろしは理屈上封じられる。万が一可決したら、解散か総辞職になる。総辞職した瞬間に政治家としてはピークが終わる。もちろん解散したところでピークはそこで終わるわけだけれども。人は志があって政治家になるのだろうが、いろいろなしがらみとか仁義とかあって、思い通りのことを実行することがなかなかできない。だが、せめて最後くらいは志に筋を通して頑張って欲しい。そういう政治家を国民は求めているように、僕は思う。