Thursday, July 16, 2009

シェリルとサラ

 大リーグのオールスターを観る。一昨年に引っ越したマンションの方角の関係でBSが入らなくなってからすっかり大リーグ中継を観なくなってしまったが、オールスターは地上波で放送だ。観れて嬉しい。だけど、日頃から観ていないとオールスターなのに選手のことがほとんど判らない。アメリカンリーグの4番をまかされたのはヤンキースの選手だったが、誰だ、マークテシェイラって。ヤンキースの25番ってジアンビーじゃなかったの?

 そんな程度の僕が注目したのは歌だ。オープニングで国歌(?)歌ったのがシェリルクロウ。新作を試聴機で聴いたけれどパワーがなかったのにがっかりしたことを思い出す。グラミー9回かどうかは知らんが、やはり歌手は今現在が大事だ。マイケルのように死んでしまっては何にもならないが、生きていたって死んでいるようなものという歌手もいる。グラウンドのシェリルクロウはやはり声量が不足していた。アメリカ国歌は入りが静かなので、サビでグワーンって来るかなって思ったけれども、それもなかった。彼女は少々やせ過ぎなんじゃないだろうか。マライヤみたいに太るのもどうかとは思うが、歌手だったら容姿よりも声量だ。シェリルの売りはやはり声量にこそあったように僕は今でも思う。

 7回を迎えて、やはり歌を歌うコーナーがやってくる。出てきたのはサラエバンス。この人のことは全然知らなかった。でも、すごい声量だ。歌唱力だ。こんな人がごろごろいるのか。きっとその世界では有名な人なのだろうけれど、世界のスターというにはまだまだ無名だろう。でも、いい歌だ。いや、歌じゃないね。歌唱だ。僕はファンになった。amazonで早速注文した。歌がうまい人の歌はそれだけで聴く価値がある。





 調べてみるとどうやらカントリーのジャンルに入る人らしい。カントリーってあまり馴染みがない。そりゃあシャナイアトゥエインもガースブルックスも知ってるし好きだしCDも持ってるし、でもそれだけで僕がカントリーに詳しいとはいえないだろう。ウィキによるとフェイスヒルとかもカントリーなんだって。へえ〜。面白いな。でもそこにサラエバンスの名前は出てこない。

 でも、サラの歌はいいぞ。適度にオーソドックスで、全力で歌って。音楽業界の片隅で仕事をしていると、新しい流れとは一体なんなのかとかに気を回し過ぎたりするけれど、本当はオーソドックスな音楽に心癒される。そういう音楽性向をオヤジ臭いといわれるのが恐くて、エレクトロニカとかPerfumeとかも一応耳にはするけれどもな。

 しかし最近のレコーディング技術の発達は、こういう本当に歌がうまい人の実力を隠してしまうと思った。上手いが、このくらい上手いレコーディング音源はざらにある。それは多少の実力の無さなんて機械が技術が押し上げてしまうからだ。だから僕はこういう人の音源を聴き、加工されまくった音の氾濫の中で素の音というものを探り探り聴いている。そういうところで想像力が育まれるというのはそんなに悪くないように思う。もちろん、ライブなどの生の機会があればその方がいいし、実力がある人の本物というものは、デジタル時代でも絶対にコピー劣化されない絶対的なものであると信じられる価値である。そのことに僕らは希望を見いだすのだろう。



 YouTubeで検索してみたら、サラの大リーグでの映像はいくつか見つかった。それに較べてシェリルのものは未だ見つかっていない。権利的な壁があるのか、僕の検索能力に問題があるのか。いや、そうではなくて、シェリルの歌はアップする価値もないとユーチューバー(そんな呼び名があるかどうかは不明だが)たちの誰もが思ったのだと僕は信じたい。