Friday, May 06, 2011

西へ

一部にはお伝えしたけれど、キラキラレコードは20年ちょっと活動した東京を離れ、京都に拠点を移すことにした。様々な理由があるけれど、その理由のひとつに原発問題もあった。地震直後に不安を感じ、奥さんの実家に一時避難し、その間に奥さんといろいろ話をした。結論として、東京を離れようということになったのである。

 そうなるとどこにというのが眼前の問題に。奥さんの実家は三重県松阪。音楽のビジネスをするには少々不便を感じた。大手の銀行がほとんど無く、個人的に利用している新生銀行が使えるATMがあるセブンイレブンさえない。これでは不便が生じる。そもそもバンドマンがそこまで来ることも難しい。僕の実家は福岡県福岡市。ビジネス環境は整っているが、少々西すぎる。関東か関西かというのが、選択の範疇だろう、常識的に。

 だとすれば、普通は大阪だ。でも僕らは京都を選んだ。なにより、京都が好きなのだ。その時点ではまだ観光客的なミーハーな感覚しか無かったわけだが、それでも京都という街が好きだった。そのことに奥さんにも異論は無かった。そこで3月の終わりにネットで不動産の物件を調べ、現地に行って内覧をし、自宅とオフィスの賃貸を申し込んだ。

 そこから約1ヶ月、引越しの作業に追われる。バイトスタッフにも説明し、一部は遠隔での勤務という、ネット時代ならではの勤務方法で対応することになるなどしながら、概ね納得してもらった。友人たちにも話し、驚かれたが、温かい言葉も沢山もらった。寂しいが、幸せだなと思った。そしてGW初日の4月29日、ようやく京都に完全移転を果たした。

 事実は小説よりも奇なりだ。2ヶ月前にはこんなことになるなんて想像だにしていなかったが、それがこうして現実になる。新しいオフィスはまだ開封されていない段ボールが山積みになっているが、一応レイアウトも固まり、こうしてブログなどを書いたりすることも出来るようになってきた。基本的にはこれまでと同じ業務をベースに、関西での活動を強化していくつもりだ。もちろんそれが出来るかどうかなんてまったく判らないのだけれど、悲観的な想いを巡らすような精神構造にはなっていないのが救いだと思う。この移転を機に、キラキラレコードは新たな発展をしてしまうのではないかと、これまた何の確証もないのだけれど、希望に溢れているのだ。